小栗旬 as 滝谷 源治(たきや げんじ)
本作の主人公であり最凶の転入生。G.P.Sの頭。ヒロミ達が入学する日に3年E組に転校してきた。実家は劉生会というヤクザでその組をもらうべく不可能と言われている鈴蘭制覇を本気で目指す。人付き合いが苦手で一見冷めた風に見えるが根は仲間想いで仲間のためならば自分の身を投げ出す。群れることを嫌い単独行動する源治であったが、ふとしたことで知り合った鈴蘭OBのチンピラ・片桐拳と友情を深める。そして、忠太、牧瀬、伊崎らを率いてG.P.Sを結成。
鈴蘭の制覇に最も近いと言われている芹沢軍団の頭・芹沢多摩雄と激突し、僅差で勝利を収めたが、2年にして鈴蘭史上最強の実力ナンバー1のリンダマンこと林田恵に完全敗北してしまう。
続編では鳳仙のトップ・鳴海大我と激闘を繰り広げた末、芹沢を倒した時と同じく僅差で勝利し、最後はリンダマンとのリベンジ戦でタイマン勝負をし、ボディへのパンチで初めてリンダマンに膝を付かせた(が、その1年後を描いたクローズ本編において、リンダマンは無敗となっている事実から敗れたか引き分けと思われる)。しなやかな肢体とシャープな肉体を活かした中距離戦闘を得意とする。その中でも一撃必殺の飛び膝蹴りが強烈。髪型は長髪ツーブロックに2本のラインを入れた独特なスタイル。
映画オリジナルキャラであったが原作の続編、「WORST」ではシルエットのみだが少しだけ登場した。

あらすじ

前作と同じく、THE STREET BEATSのテーマ曲が流れ、一気に気持ちが高まるものの、次第に醒めてしまう、その理由。前作のクライマックスで、主人公の源治は宿敵・芹沢軍団を制したにも関わらず、彼らも海老塚中トリオも統合しておらず、苛立ちを隠し切れないという、まさにZERO展開に逆走しているからだ。今回は因縁のライバル校・鳳仙学園との抗争を通し、芹沢との距離が縮まり、源治の苦悩も解かれていくが、ヤクザの拳とともに鈴蘭高校のトップを目指す野望だけで突っ走った前作に比べて、どうも失速気味。劇中、リンダマンとの戦いを繰り返すように、なかなか前に進まないのだ。  そんななかで描かれるのは、前作で確立されたキャラクターに頼りすぎた、サブエピソード。恒例となった、コワモテ牧瀬の童貞物語はまだしも、三池監督お気に入りと思われる、三上兄弟による横暴コントの空気は寒く、前作で源治のもとを去った拳のエピソードに関してはムリを感じてしまう。新キャラに関しては、今回の宿敵となる鳴海大我のキャラはどこか芹沢とカブっているため、カリスマ性に欠けるが、原作の人気キャラ・美藤竜也の出し方は巧い。その後、鳴海の待つ屋上まで全力疾走の“校内『死亡遊戯』団体戦”で、前作以上の壮絶バトルを見せてくれ、ようやく元祖“チーム男子”映画としての本領発揮! 前作と違い、シリーズものとしての醍醐味という、別の視点で楽しみたいところである。

スタッフ

原作:高橋ヒロシ
監督:三池崇史
プロデューサー:山本又一朗
企画:濱名一哉
脚本:武藤将吾、水島力也
音楽プロデューサー:古川ヒロシ
音楽:大坪直樹
制作:「クローズZEROII」制作委員会(TBS トライストーン・エンタテイメント 東宝 MBS 秋田書店 CBC ハピネット SDP)
配給:東宝
上映時間:133分

原作との相違点

・鈴蘭2年の筒本、鳳仙2年の漆原、両校に所属した鷲尾は原作で3年になっているはずなのだが登場せず、その経緯は未だ明かされていない。
・鳳仙の制服は、原作では青っぽい色なのだが、「ZERO II」では白になっている。
・原作では抗争で川西が退学になったあとに真喜雄が刺されるが、「ZERO II」では抗争の際に刺されている。
・リンダマンこと林田恵は、原作の坊屋春道との最初のタイマン以前は心を閉ざしていたはずだが、「ZERO II」において、その頃のリンダマンではあり得ない(言うとは思えない)台詞(「全部壊して、ゼロになれ」「これだから鈴蘭は面白い」)を言っている。